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JOURNAL · 2026-02-08T08:00:00+09:00

打ちこみのこと — 足で踏み、手で延ばす

by 丸山 健一
打ちこみのこと — 足で踏み、手で延ばす
讃岐うどんのあのコシは、一体どこから生まれるのか。お客様から最も多くいただくご質問のひとつです。 答えは、生地の「打ちこみ」にあります。小麦と塩水を合わせた生地を、足で繰り返し踏み込むこの工程こそ、讃岐うどんを讃岐うどんたらしめる核心です。丸亀庵では、生地を厚手の布に包んで足踏みを三回に分けて行います。一度に強く踏むのではなく、踏んでは寝かせ、寝かせては踏むことで、グルテンの繊維が一定方向に整い、独特の弾力が生まれるのです。 踏みの強さも、季節と湿度で変えています。湿気の多い梅雨時は生地が緩みがちなので、踏みを少し強めに、寝かせを短めに。冬は生地が引き締まるので、ゆっくりと優しく踏み込みます。同じ作業はひとつとしてなく、毎日が新しい打ちこみです。 寝かせを終えた生地は、太い麺棒で薄く延ばし、たたみ、刃の長い包丁で一本一本切り出します。麺の太さは2.5ミリを基準としていますが、メニューによって2.0ミリの細打ちや3.0ミリの太打ちにも変えています。 機械では真似のできない、手と足の感覚。それを毎朝5時から、淡々と続けています。
技術手打ち工程