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JOURNAL · 2026-03-20T10:30:00+09:00

「さぬきの夢」— 讃岐から届く一粒のものがたり

by 丸山 健一
「さぬきの夢」— 讃岐から届く一粒のものがたり
丸亀庵で使用する小麦は、香川県が長い年月をかけて開発した讃岐うどん専用品種「さぬきの夢」です。私が丸亀の実家の店で修業をしていた頃から、この小麦の独特な甘みと滑らかさに惚れ込み、東京で店を開いたあとも、当時お世話になっていた善通寺の契約農家さんから直接送っていただいています。 「さぬきの夢」は、デンプンの性質がうどんに最適化された希少な品種で、収穫から製粉までの工程が他県の小麦より格段に丁寧に管理されています。私たちは挽きたての一等粉のみを使用し、香川から週に二度、便で取り寄せています。製粉から二週間以内のものしか使わないという、ささやかなこだわりです。 この小麦が放つ柔らかな香りは、口に入れた瞬間にふわりと広がります。それを最大限引き出すために、塩と水の配合・寝かせる時間・足踏みの回数は季節ごとに微調整しております。同じ「さぬきの夢」でも、冬と夏では生地の表情がまったく違うのです。 一粒の小麦に宿る讃岐の風土を、東京・神宮前の小さな店で、できる限り誠実にお伝えしたい。それが丸亀庵の根っこにある思いです。
素材讃岐小麦